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◎健診結果のコメントを詳しく紹介します!
第1回 胃X線検査編
健診センター・キタデ 消化器内科医師 有留玄太郎
最近の新聞雑誌などに掲載される統計調査では、胃がんは減っていると書かれている記事もありますが、これはよく誤解されます。確かに罹患(りかん)率(=胃がんにかかる割合)も死亡率(=胃がんで死亡する率)も減少していますが、胃がんは悪性腫瘍のうち罹患率では第一位、死亡率では第二位を占めています。まだまだ、日本は胃がん大国なのです。
胃がんは、罹患率第一位であるにもかかわらず、死亡率は近年大幅に減少している傾向にあります。日本が胃がん大国でありながらも胃がんの死亡率を下げることができた背景には、健康診断に胃X線検査が取り入れられて以来、自覚症状のない早期のがんが偶然発見できるようになったこと、また内視鏡治療などの面でも発展がみられたことが大きく関係しています。早期胃がんはほぼ100%治癒します。
胃がん検診は、胃がんの早期発見が目的であり、胃がんの最大の治療は早期発見です。胃がんはいつ発生するか予想できないので、早期に発見するには定期検診が必要です。毎年バリウムを飲むと、それだけ早期に発見される可能性が高まります。一年に一回は胃がん検診を受けましょう。
胃X線検査について健診を受ける方からよく聞かれる質問がいくつかあります。たとえばレントゲンですべての胃がんの発見が可能ですか?≠ニ聞かれます。胃X線検査において、よい写真を撮るためにはバリウムののり=i化粧ののりと一緒です)が大切です。そのため撮影時にかなり体を動かし、胃液を洗い出してバリウムを胃壁にくっつけます。胃壁にくっついたバリウムの影絵をみているわけです。
胃がんは、一般には隆起(=でっぱり)したり、陥凹(=へこみ)したりしてるので、レントゲンや内視鏡での診断は容易です。しかし、ごく早期のがんは、変化が微細で平らなタイプのものがあり、このようなタイプは診断が難しくなります。また胃の構造上、後ろの壁側にはバリウムがよくのり、見えやすいのですが、前壁側はやや見にくいので、部位によっても診断が困難となる場合もあります。圧迫法などを用いることによりその欠点を補っています。仮に小さながんがあっても、毎年受診することにより、早期のうちに見つかる確率が高くなります。
また胃がん検診を受けると必ず精密検査になるので、毎年受ける気になれないのですが≠ニよく言われます。それは胃の変形が強かったり、昔かかった潰瘍の治ったあとが、がんのサインと区別できないためでしょう。そのような胃はがんの集団検診に向かない可能性があります。自分の胃が、がん検診に向かない場合、かかりつけの専門医を決めて定期的に内視鏡検査を受けることを勧めます。
これから数回に分けて健診結果のコメントについて解説していきます。次回は『胃潰瘍瘢痕の疑いがあります。一度胃カメラ検査を受けてください。』です。また『慢性胃炎を認めます。』のコメントについて、最後に『胃がんとピロリ菌』についても解説していきます。
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