特定、特別医療法人 黎明会の概容
(地域との関わりについて)
■特定医療法人 黎明会 理事長 北出 俊一
黎明会は1962年22床の北出胃腸病院として御坊市に呱々の声を上げました。以来常に地域住民の声を聞き、この地に医療のユートピアを作り上げようと職員一同頑張ってきたお陰で予防、医療、介護分野に及ぶ自己完結型の施設に成長してまいりました。法人の形態も医療法人から特定医療法人、特別特定医療法人とより公的な分野に足を踏み入れてまいりましたが、ここにきて社会医療法人というほぼ公的に匹敵する制度が平成20年度から開始されることになりました。この制度にのるためには5事業(救急、災害、僻地、小児、周産期医療)のうち何れか一つの事業の実績目標を達成しなければなりません。当院は今年度の申請に間に合いませんので次年度を目指して救急医療の分野で挑戦することに決めました。決して困難な数値ではありませんが相当の努力が必要です。昨今の医療状況は危機的状態を迎え、地方の公的病院が5事業のような不採算部門に対応できなくなってきたので我々のような中小の私的病院に出番が回ってきたものと思われます。ピンチはチャンスという諺どおり、この機会を捉えて来年度には先ず社会医療法人の認可を受け、公立病院と同じ土俵の上に立って地域医療に貢献していくつもりです。
次に黎明会の傘下にはいくつかのグループがありますのでその各々が地域に拘わっている現状を説明いたします。
北出病院
最初胃腸病院からスタートしましたので消化器科は重要な柱です。特に内視鏡部門は急速に進化する光学機器に対応するのに苦労しますが、今年度も内視鏡室の拡張を行いNBIを搭載した拡大ビデオスコープのついている電子内視鏡システムを購入しました。これによって肉眼では見分けられない超早期の胃、大腸癌を発見することが出来ます。当院は健診センターを持っている関係から消化器癌を出来るだけ早期に発見して、内視鏡的、外科的の両面から治療するシステムが構築されています。
もう一つの柱は整形外科、脳外科にリハビリ科を加えたグループです。特にリハビリ科は一人のリハビリ専門医と約50人のPT,OT,STを抱える大所帯で施設基準1を取り、41床の回復期リハビリテーションをもって整形、脳外科その他術後患者の早期自宅復帰に大いに寄与しています。また県から御坊、日高地区リハビリテーション支援センター委託を受けて地域のリハビリの質の向上に努めています。また今年度から呼吸器内科の専門医が増員になり特に呼吸器のリハビリに特化してCOPDや高齢者の燕下性肺炎で入退院を繰り返す患者の減少を図りたいと思っています。
第3番目の柱は健診センターやフィットネスの関係でメタボや糖尿病の患者さんが多いのでこれに対して生活習慣の改善に重点を置いたサポートチームを作りたいと思っていますが専門医が不在なので今後医師獲得に傾注します。
昨年3月に64列MDCTを導入したのを機会に有志の診療所及び僻地診療所とネットを構築して画像送信を行っています。とても評判がよいのでこれを突破口に病診連携のあり方を考え直していきたいと思っています。
介護老人保健施設「和佐の里」
今年11年目を迎えた当施設は高齢者が幸福な余生が送れてしかも在宅復帰に向けてリハビリや代替療法を駆使して頑張っているにも拘わらず、介護保険料の削減は厳しく、経営の舵取りは段々と難しくなってきています。それでも当施設は全国屈指のハードや介護内容をもっていますので、全職員がプライドを持って頑張ってくれているのが救いです。50床の認知症専門棟がある関係から認知症の予防、家族との関わり、脳リハビリに力を入れてきました結果、認知症の改善率もよく在宅への症例もかなりありましたが、最近入居者の重症化によってその効果が期待できなくなってきました。在宅復帰という介護老人保健施設の本来の役割が、厚労省の施策によってゆがめられ、特別養護老人施設と何ら変わらない状況になりつつある中で、それに逆らって軽症から中等症の認知症の在宅復帰を目指す方向に持って行けないかと模索中です。
総合健康増進センター
疾病の1次予防としてメディカル&フィットネスクラブAQUOを、2次予防として健診センターを1993年5月に開設しました。
1. メディカル&フィットネスクラブAQUO
従業員を含め地域住民の人々が健康で美しくなって欲しいとの思いをこめて温水プール、スタジオ、ジムなどの設備をもったものを造りましたが、病院にこのような施設があるのが珍しく、また最近の予防医療が重要視されてきましたので世間から注目されています。1995年には厚生省の指定運動療法施設の認定を受け、最近は病院の付属施設の利点を生かして生活習慣病の運動療法に約100名の患者さんが参加して良好な効果を得ています。また近隣市町村と契約して気功を取り入れた介護予防を行っていますが、人気がよく、ここ数年間地域に根付いて自発的に続けられています。45才から65才までの成人層に対しては本年度からは特定健診、特定保健指導が始まり指導の効果が評価されるようになりますのでこの施設の必要性が益々高まってくると思われます。
2. 健診センター
和歌山県では数少ない企業健診施設として紀南地方を中心に全県下を健診バスで走り回っています。また御坊日高地方の住民健診は日高川町を除いて凡ての地域で行っていますが、出来るだけ早く全群下に及ぼしていく予定です。センター内で行っている人間ドックも年間1700例を超えてきました。その際に従来からおこなってきた胃のレントゲン撮影を内視鏡検査に切り替えるべく本院の内視鏡室を2列に改装中です。
先にも述べてきましたように今年度から健診の制度が大きく変わります。メタボに重点を置いた健診に変わり、特に保健指導を丁寧におこなってその効果が評価されるようになりました。その為保健師を2名から3名に増員してその対応に当たるよう準備しています。
保育所の充実と病児保育の開設
保育所は以前から看護師を対象に運営してきましたが、その範囲を全職員に及ぼしました。年齢はゼロ歳児からで24時間保育となっています。またかねてから計画中であった病児保育は昨年秋に小児科を開設したので機が熟し、関係市町と相談して6月頃から始める予定です。このように国の少子化対策に貢献している関係から本年1月に県知事より「子育て応援企業」として認定されました。
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